不倫相手との話し合いを有利に進めるための切り出し方、進め方を解説

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  • 話し合いを有利に進めるには?
  • 切り出し方、タイミングは?
  • 話し合いの進め方は?
  • 話し合いでやるべきことは?
  • 話し合いの注意点は?

この記事ではこのような疑問・お悩みにお応えします。

記事の前半では話し合いまでに済ませておくべき事前準備について解説します。また、記事の中盤から後半では、話し合いの進め方や注意点に解説したいと思います。

不倫相手を懲らしめようと思ってすぐに問い詰めてはいけません。問い詰める前にしっかりとした事前準備が必要です。しっかりとした事前準備を行っていれば、不倫相手に何を言われようと冷静に対処でき、話し合いを有利に進めることができます。

反対に、準備不足のまま話し合いを切り出すといろいろと言い訳をされ不倫を認めさせることができず、慰謝料請求などの目的を達成することが難しくなるでしょう。ぜひ、この記事を最後までお読みいただき、不倫相手との話し合いを有利に進めるためのコツをつかんでいただければと思います。

不倫相手との話し合いに向けた事前準備

繰り返しになりますが、不倫相手との話し合いを少しでも有利に進めるためには事前準備は欠かせません。この事前準備を飛ばしていきなり不倫相手に話し合いをもちかけると失敗する可能性が高いです。これからご紹介することを参考に、ぜひ順を追って準備を進めていただければと思います。

①慰謝料請求の条件をチェックする

まず、不倫相手に慰謝料請求したい場合は、慰謝料請求の条件をチェックしておく必要があります。単に不倫、浮気されたからといって慰謝料を払わせることができるわけではありません。条件をチェックしておくことで、どんな証拠を集めればよいのか、どんな主張が予想されるのかをあらかじめ把握することができます。

②自分で調査してみる

次に、可能な範囲で自分で調査して不倫の証拠を集めてみましょう。配偶者の行動やスマホなどの配偶者の身の回りにあるもののチェックなどはご自分でも可能です。もっとも、調査するにあたっては、どこまで自分で調査できるのか、すべきかの見極めが大切です。

③探偵に相談、依頼する

自分で調査できない、すべきでない場合は、探偵に相談(場合によっては依頼)します。相談する前に、ご自分の今の状況を整理し、探偵に相談、依頼する目的を明確にしてから相談することをおすすめします。できる限り複数の事務所に足を運んで相談し、比較検討することが選び方に失敗しないしないコツです。

➃不倫相手の住所を調べる

今現在、不倫相手とコンタクトがとれない場合は、不倫相手の住所も調べる必要があります。不倫相手に書面で話し合いを切り出す場合や訴訟を見据える場合は住所の把握は必須です。探偵に浮気調査を依頼すれば、同時に不倫相手の住所の特定を依頼することもできます。

⑤配偶者と今後について話し合う

不倫の証拠を集め、今後配偶者との関係をどうしたいかを決め、話し合いの準備を整えたら配偶者に話し合いを切り出します。不倫相手と同様、話し合いの切り出し方、タイミングにも注意しましょう。

⑥誓約書、示談書を作成する

配偶者との話し合いの結果、婚姻関係を継続する場合は、不倫相手に慰謝料請求する(①)か、請求せずに関係解消や接触禁止を求める(②)ことが一般的です。①の場合は示談書、②の場合は誓約書を作成しましょう。

不倫相手と連絡がとれる場合は、あなたが誓約書、示談書を作ることを不倫相手に伝えておきましょう。また、条件面をすり合わせながら誓約書、示談書を作っておくと話し合いの負担を軽減できます。不倫相手との話し合いでサインを求める場合は、示談書には署名・押印した上で、契印割印などして正式な形に整えておく必要があります。

一方、離婚する場合は、配偶者に離婚慰謝料を請求するのが一般的です。

⑦請求書面、内容証明を作成する

後述するように、不倫相手への話し合いの切り出し方には「電話」、「メール」、「書面(請求書面)」の3つがあります。いずれの方法を選択してもかまいませんが、書面で切り出す場合は内容証明で送った方が効果的です。請求書面や内容証明については後記の「話し合いのタイミング、切り出し方」でご紹介します。

⑧専門家に相談、依頼する

⑤から⑦までの過程をお一人の力でやることが難しい場合は、専門家に相談、依頼することも一つの方法です。弁護士には示談書などの書面の作成から不倫相手との交渉までをすべて依頼できますが、費用は高額となります。一方、行政書士には示談書などの書面作成を依頼できますが、不倫相手との交渉を依頼することはできません。

⑨話し合いの場所を探す

話し合いを切り出す前に、話し合いの場所もきちんと検討しておきましょう。話し合いではどうしてもお互いが感情的になりがちです。その上、第三者の目の届かない場所を選んでしまうと、話し合いがますますヒートアップする可能性があります。カフェやホテルのラウンジなど、第三者の目が届きやすく、かつ、プライベートもしっかり確保できる場所がおすすめです。

⑩ボイスレコーダーなどを準備する

また、不倫相手と対面で話し合う場合はボイスレコーダーを準備しておきましょう重要な証言を録音できれば、何かの証拠として使える可能性があります。また、会話の雰囲気もわかるため、脅迫された」、「無理矢理サインさせられた」という不倫相手の反論を潰すこともできます。

ボイスレコーダーのほかにも、

 ボールペン

■ メモ用紙

■ 不倫の証拠

■ 誓約書

■ 示談書
※示談書は2部(あなた用と不倫相手用)、誓約書は不倫相手にも渡したい場合は2部用意します。

も忘れずにもっていきましょう。

不倫相手との話し合いのタイミング、切り出し方

ここでは、不倫相手との話し合いの準備を終えた後の話し合いを切り出すタイミングや切り出し方をみていきましょう。

タイミング

まず、不倫相手に話し合いを切り出すタイミングは事前準備の①から⑩を終えた後、が基本です。もっとも、慰謝料の時効には注意が必要です。時効が完成すると慰謝料請求できなくなるおそれがありますから、時効が完成する可能性がある場合は前述したステップを飛ばして話し合いを切り出すことも検討しなければなりません。

切り出し方

前述のとおり、話し合いの切り出し方は「電話」、「メール」、「書面(請求書面)」の3通りです。このうち書面で切り出しす方法は、不倫相手と余計な話をせずに済み、要求だけを端的に伝えるという点でメリットです。

また、内容証明郵便制度を使って書面を送れば、不倫相手に心理的プレッシャーをかけ、その後の交渉がスムーズにいく可能性があります。請求書面の書き方や内容証明の説明、請求書面を送った後の対処法などについては以下の記事で詳しく解説しています。

不倫相手との話し合いでやるべきこと

不倫相手に話し合いを切り出した後、反応が返ってきたら話し合いに移ります。以下では、不倫相手があなたの要求を認めた場合にやるべきことを解説します。

なお、不倫相手と連絡がとれる場合は、以下の点をLINE等で確認しておき、あとは誓約書、示談書にサインを求めるだけの状態にしておいてもよいでしょう。

不貞等の事実を確認し、謝罪を求める

まずは、不倫相手の口から不貞(あるいは不倫、浮気)の事実を語らせ事実関係を把握し、謝罪を求めます。関係をもった時期、肉体関係をもった回数なども忘れず聴き取りましょう。万が一、言い逃れする場合は、証拠をつきつけるなどして自白をうながします。

条件をすり合わせる

次に、誓約書、示談書に記載する条件をすり合わせますまずは、あらかじめ考えていたあなたの希望を不倫相手に伝えます。不倫相手が修正を求められ、折り合いがつく場合は誓約書、示談書を修正する必要があります。

誓約書・示談書にサインを求める

一方、誓約書、示談書の修正が必要ない場合は不倫相手にサインを求めます。なお、サインするかどうかは、最終的には不倫相手の判断に委ねられます。サインは任意であって強制はできない点に注意が必要です。

不倫相手との話し合いの注意点

最後に、不倫相手との話し合いで注意すべき点をみていきましょう。

話し合いは原則二人で

まず、話し合いは、原則、あなたと不倫相手との二人で行いましょう

一対一で話し合うことに自信がない場合は弁護士に依頼することを検討しましょう。弁護士以外の第三者を間に入れると、話し合いがこじれる可能性があります。仮に、弁護士以外の第三者を間に入れる場合でも人選には細心の注意を払う必要があります。

暴力、脅迫しない

次に、不倫相手に暴力を振るったり、脅迫めいたことをいう絶対にやめましょう

話し合いが成立せず目的を達成することができなくなります。また、仮に示談書にサインさせることができたとしても、あとで示談の有効性を疑われる可能性もあります。最悪、あなた自身が刑事、民事上の責任を問われる可能性もあります。あなたと同様に、不倫相手もボイスレコーダ―で会話を録音している可能性があることも忘れてはいけません。

※刑事上の責任→懲役、罰金などの刑罰、前科/民事上の責任→損害賠償

感情的にならず冷静さを保つ

次に、感情的にならず冷静さを保つことが大切です。

不倫相手への対応では、どうしても感情が先走って怒りにまかせて物事を言ってしまいがちです。しかし、それでは不倫相手の対抗心に火をつけ、話し合いを行うことが難しくなります。難しいところではありますが、問題を長引かせないためには、冷静さを保つことが必要です。

不倫相手の話にも耳を傾ける

最後に、不倫相手の話にも耳を傾けることです。

話し合いではどうしても自分の要求だけを不倫相手に話がちです。当然、言うべきことはきちんと言うべきですが、だからといって不倫相手の話に一切耳を傾けない態度では話し合いは成立しません。特に、示談する場合は、条件面でうまく折り合いをつけることが示談を成立させるためのコツです。

まとめ

不倫相手との話し合いを有利に進めるにはしっかりとした事前準備が必要です。事前準備のないまま話し合いを切り出すと失敗する可能性がありますので注意が必要です。

話し合いを切り出すタイミングや切り出し方にも注意し、話し合いでは感情を抑えて聞き出すべきことを淡々と聞くことが必要です。繰り返しになりますが、しっかりとした事前準備を行っておけば、話し合いでも落ち着いて対処できます。

この記事を書いた人

小吹 淳

こぶき行政書士事務所 行政書士(登録番号 佐賀県22410162)
離婚業務を中心に取り扱っている行政書士です。離婚公正証書、離婚協議書、別居合意書、面会交流契約書、示談書、誓約書等の書面を作成したり、チェックしたりしています。ご相談は回数を問わず「無料」です。ご希望の方はお気軽にお申しつけください。