- 不倫された側は親権獲得で有利?
- 不倫した側は親権を獲得できる?
- 親権の決め方は?
- 親権獲得の上でやるべきことは?
この記事は上記のような疑問、お悩みにお応えする内容となっています。
「不倫した相手に子育てさせるわけにはいかない」、「子育てする資格はない」と考え、子どもの親権を望まれる方も多いと思います。そこで、この記事では、不倫をされた=親権獲得でいいのか、親権はどうやって決めるのか、親権を獲得するには何をすべきか、といった点について解説していきたいと思います。
ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考にしていただけると幸いです。
「不倫された=親権獲得」ではない
まず、押さえておかなければならないことは、不倫されたからといって、必ずしも親権を獲得できるわけではない、ということです。不倫(不貞)は夫婦同士の問題。一方、親権は子どものためにあるものですから、親権を決めるにあたっては、子どもの視点から考える必要があります。つまり、不倫と親権は分けて考える必要があります。
親権の決め方~流れ
では、親権をどうやって決めるかですが、親権に限らず離婚で必要な決めごと(養育費、慰謝料等)はまずは夫婦の話し合いで決めます。話し合いでは、夫婦の意思さえ合致すれば、不倫された側はもちろん、不倫した側が親権を獲得しても何ら問題はありません。
一方、話し合いで決着がつかない場合は離婚調停を申し立てるという方法もあります。調停も話し合いがベースとなりますが、調停委員という第三者が夫婦の間に入る点が夫婦同士の話し合いと異なります。調停でも不倫した側が親権を獲得することもあります。調停でも決着がつかない場合は審判、あるいは裁判で決着をつけることになります。
親権の決め方~重視すべきポイント
親権を決める際は以下の点が重要視されます。手続きを調停に進めた場合、調停以降は以下の点を総合的に勘案し「夫婦のいずれが子どもの親権者としてふさわしいか」という観点から親権を決めていきます。そのため、話し合いで親権を決める際も以下の点を意識して決めた方がよいでしょう。
■ 現在の監護状況、これまでの監護実績
■ 子どもへの愛情、監護意欲、監護の継続性
■ 子どもの年齢・意思
■ 周囲の理解、協力
■ 面会交流への寛容性
■ 兄弟姉妹の不分離
■ 心身の健康状態
各個別の内容は以下の記事で詳しく解説しています。

不倫は親権獲得に不利に働く可能性も
この記事の冒頭で「不倫と親権とを分けて考える必要がある」と述べました。とはいえ、不倫が親権獲得の上でまったく影響がないかといえばそういうわけではありません。
たとえば、不倫によって
■ 育児放棄
■ 虐待
■ 家出の繰り返し
■ 不倫相手の家での寝泊まり
■ お金の浪費
■ 生活費を入れない
などの事情が認められれば、前述した「現在の監護状況」、「監護実績」等の諸要素にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。そうすると、やはり「親権者としてふさわしくない」という判断となり、親権を獲得できる可能性がより高まってくるのです。
不倫された母親(父親)がやるべきこと
では、最後に不倫された側が親権を獲得する上で普段から何をやっておくべきか簡単にみていきましょう。
まず、母親ですが、母親は親権獲得の上で有利ですから、基本的には今まで通りの生活を送っておけば問題ありません。もっとも、前述のとおり育児放棄等によって親権者としての適格性を疑われると、いくら母親でも親権を獲得することが難しくなります。普段の子どもとの関わりには十分注意する必要があります。
一方、多くの父親は親権獲得の上では母親に不利といえるでしょう。何も対策をとらなければ、不倫した妻に親権をとられてしまう可能性があります。そのため、父親は母親以上に子どもに積極的に関わり、監護実績を作っていく必要があります。具体的には、
■ 子育てに関わる
■ 子どもと面会交流する(別居中)
■ 離婚後の養育環境を整える
■ 妻の監護・養育上の問題点を指摘する
ことなどが挙げられます。詳細は以下の記事でも解説していますのであわせてご確認ください。