目次
不倫慰謝料の請求を弁護士に依頼したいけど、、
- 弁護士費用っていくらかかるの?
- 相場は?
- 安く抑えるコツはないの?
この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。
不倫慰謝料の請求を弁護士に依頼する際、最も気になるのが弁護士費用のことではないでしょうか?誰しも「弁護士費用の負担を抑えつつ、なるべく多くの慰謝料を獲得したい」そうお考えになることと思います。
そこで、この記事の前半では、不倫慰謝料の請求を弁護士に依頼するメリットや弁護士費用の内訳について、中盤から後半では弁護士費用の相場や安く抑えるためのコツなどについて解説していきたいと思います。ぜひ最後までお読みいただき、今後弁護士に相談、依頼する際の参考としていただければ幸いです。
不倫慰謝料の請求を弁護士に依頼するメリット
始めに、不倫慰謝料の請求を弁護士に依頼するメリットを簡単におさらいしておきましょう。
精神的な負担が軽減される
最大のメリットは精神的な負担が軽減できる点です。
ご自分で慰謝料請求するとなれば、請求書面の作成(書面で請求する場合)、配偶者・不倫相手との話し合い、話がまとまらなかった場合の調停、訴訟などを一人でこなさなければいけません。
一方、弁護士に依頼すれば、弁護士が窓口となって上記のことすべてを行ってくれます。不倫されて精神的に傷ついているあなたにとって、パートナーや不倫相手と顔を合わせる必要がなくなるだけでも、精神的負担を大きく軽減できます。
日常生活に集中できる
次に、日常生活に集中できる点です。
前述したことすべてをご自分で行おうとすると、本やネットなどで情報を検索したり、弁護士に相談するなどして知識を身に付けていかなければならず、手間や時間がかかります。
そして、情報収集に時間を取られると、ご自分の日常生活に集中できなくなる可能性があります。特に、仕事をしている方や子供がいて家事・育児が必要な方にとっては大きな負担です。
また、情報収集したものの、その情報の真偽を判別できず、仮に誤った情報に基づいて行動すると自ら不利な結果を招いてしまう危険もあります。一方、弁護士に依頼すれば、ご自身で情報収集する負担や誤った情報に基づいて行動してしまう危険がなくなります。
弁護士費用の内訳
では、ここからは弁護士費用について具体的にみていきます。まずは、弁護士費用の内訳からです。弁護士費用の内訳は主に次の要素から構成されます。
- 法律相談料
- 着手金
- 報酬金
- 日当費
- 実費
なお、実際の内訳や各費目金額については法律事務所ごとに異なります。実際の弁護士費用の内訳や費用については、法律相談時や依頼前に説明を受けるはずですので、内容をよく確認し、不明点があれば遠慮なく弁護士か担当者に尋ねて解消しておきましょう。
法律相談料
法律相談料は弁護士に依頼する前(正式に委任契約を締結する前)に、弁護士に相談した際に発生する費用です。
初回の法律相談に限り「無料」で対応している法律事務所も多いです。もっとも、無料であっても「1回限り」という回数制限や「30分まで」、「60分まで」などという時間制限を設けている場合がほとんどです。一方、有料の場合は、1回あたり「5,000円~/1h」が相場です。
着手金
着手金は弁護士に依頼した後に発生する費用です。
着手金は弁護士が業務に着手ためのお金で、緊急の場合を除き、着手金を支払うまで弁護士は弁護活動を始めてくれません。着手金を「0円」と設定している事務所もありますが、その場合は、後記の報酬金が高く設定されている可能性もあります。一方、金額を設定している場合は「10万円~」が相場です。原則、一括払いで、一度支払った着手金は弁護活動の成果にかかわらず返金されません。
報酬金
報酬金は「基礎報酬金」に「追加報酬金」の2階建て構造とされているのが一般的です。
基礎報酬金は「20万円~」が相場です。一方、追加報酬金は「獲得した慰謝料(経済的利益)の10~20%」などと、獲得した慰謝料に応じた金額を設定されます。そのため、獲得した慰謝料が高額となればなるほど報酬金(弁護士費用)も高額となります。
日当費
日当費は弁護士が事務所外で弁護活動を行った際に発生する費用です。
事務所外で弁護活動とは、たとえば、パートナーや不倫相手との話し合い、調停・訴訟のための裁判所への出廷、などです。「示談交渉1回につき3万円」、「裁判所への出廷1回につき5万円」などと固定の金額が設定されています。事務所外での活動回数が多くなればなるほど日当費は高額となります。
実費
実費とは、その名のとおり、弁護活動によって実際にかかった費用です。
たとえば、書面の郵送費、事務手数料、交通費などがこれにあたります。実費も弁護士の活動内容が多くなればなるほど高額となります。弁護士費用といえば着手金や報酬金に目を奪われがちですが、日当費や実費も意外に高額となる可能性がありますので注意しましょう。
【ケース別】慰謝料請求の弁護士費用の相場
不倫慰謝料の請求を弁護士に依頼した場合、弁護士費用がいくらかかるのかはケースによっても異なります。そこで、以下では、弁護士費用がいくらかかるのかケース別にみていきます。
離婚せず、不倫相手に慰謝料請求する場合
離婚しない場合は不倫相手にのみ慰謝料請求するのが一般的です。不倫相手に対して請求するには次のことを弁護士に依頼できますが、どこまで弁護士に依頼するかで弁護士費用の金額は異なってきます。
① 請求書面を作成する
② 作成した書面を内容証明で不倫相手に送る
③ 示談交渉する
④ 示談書を作成する
⑤ 調停を申し立てる
⑥ 訴訟を提起する
請求書面の作成のみ依頼
弁護士に不倫慰謝料の請求書面の作成のみを依頼した場合の弁護士費用は3万円~5万円(着手金)+実費が相場です。もともと着手金が低額なことに加え、報酬金が発生しない分、弁護士費用は低額となります。なお、請求書面のみの依頼を受け付けていない弁護士もいますので注意が必要です。
請求書面の作成+示談交渉を依頼
請求書面の作成に加えて、不倫相手との話し合いや示談書の作成を依頼した場合の弁護士費用は30万円~(着手金・報酬金)+日当費+実費が相場です。獲得した慰謝料(●●万円)の金額等によって弁護士費用は大きく変動します。
【着手金】
10万円
【報酬金】
20万円~(=20万円(基礎報酬金)+●●万円×10%~20%(追加報酬金))
離婚する場合
離婚する場合は不倫相手のみならず配偶者に対しても慰謝料を請求します。
ただ、離婚する場合は、慰謝料のほか財産分与、子供がいる場合は親権、養育費、面会交流などについて取り決める必要があります。そのため、離婚しない場合に比べて弁護士費用は高額となります。
また、離婚の方法は協議、調停、審判、裁判の4種類ですが、右の方法に進むにつれ弁護士費用は高額となります。以下では、話をわかりやすくするため、以下の条件設定で話を進めていきます。
■ 慰謝料●●万円
■ 財産分与なし
■ 子供なし
離婚の弁護士費用について詳しくお知りにないたい方は以下の記事をチェックしてみてください。
協議離婚の場合
協議離婚した場合の弁護士費用は45万円~(着手金+報酬金)+日当費+実費が相場です。
【着手金】
15万円~
【報酬金】
30万円~=(30万円(基礎報酬金)+●●万円×10%~20%)
離婚しない場合に比べて着手金、基礎報酬金ともに5万円~10万円ほど高額となります。また、財産分与、親権など慰謝料以外についても取り決めた場合は、上記よりも高額となる点にも注意が必要です。
調停離婚の場合
調停離婚した場合の弁護士費用は55万円~(着手金+報酬金)+日当費+実費前後が相場です。
【着手金】
25万円~
【報酬金】
30万円~=(30万円(基礎報酬金)+●●万円×10%~20%)
財産分与等に関して合意できた場合は報酬金が加算されます。なお、上記の金額は調停段階から弁護士に依頼した場合を前提としています。協議段階から弁護士に依頼したものの、話がまとまらずに調停に移行した場合は、協議の着手金との差額(たとえば10万円=25万円-15万円)が発生する場合もあれば発生しない場合もあります。
裁判離婚の場合
裁判離婚した場合の弁護士費用は70万円~(着手金+報酬金)+日当費+実費前後が相場です。
【着手金】
30万円~
【報酬金】
40万円~=(40万円(基礎報酬金)+●●万円×10%~20%)
財産分与等に関して合意できた場合は報酬金が加算されます。なお、上記の金額は裁判段階から弁護士に依頼した場合を前提としています。協議・調停段階から依頼し、訴訟に移行した場合は、前述と同様に、協議・調停と裁判の着手金との差額が発生する場合もあれば、発生しない場合もあります。
不倫慰謝料請求の弁護士費用を安く抑えるコツ
これまでみてきたように、不倫慰謝料請求を弁護士に依頼した場合の弁護士費用は決して安い金額ではありません。そこで、以下では、少しでも弁護士費用を安く抑えるコツをご紹介したいと思います。
早い段階で弁護士に相談、依頼する
まずは、可能な限り早い段階(慰謝料請求する前、離婚を切り出す前)に弁護士に相談することです。
始めは何から手をつければいいかわからない、という状態の方が多いと思いますが、相談すれば、弁護士からアドバイスを受けながら話を進めていくことができます。また、弁護士が間に入ることで、よりスピーディーに、より適切・円滑に解決することができ、結果として弁護士費用を抑えることにつながります。
一方、相手に慰謝料請求した後や離婚を切り出して離婚に向けた話し合いをした後の段階だと話し合いがこじれ、本来、話し合いで解決できたはずの問題も調停、訴訟へと持ち越さざるを得なくなります。そうすると、着手金、報酬金等が加算され、弁護士費用が高額となってしまう可能性があります。
話し合いで解決する
ケース別の相場でもお分かりいただけると思いますが、交渉(協議)→調停→裁判と進むにつれ、弁護士費用は高額となります。そこで、話し合い(離婚の場合は協議)で解決することも弁護士費用を安く抑えるコツといえます。
問題はどうやって話し合いで解決するのかという点です。この点、話し合いでは相手の合意が必要ですから、自分の主張ばかりを相手に押し付けるのではなく、譲歩できる点は譲歩することが必要となります。
なお、話し合いでの解決を目指すのは、慰謝料請求する上でもメリットです。なぜなら、話し合いでは相場や過去の類似事例にとらわれることなく、当事者が自由に慰謝料の金額を決めることができるからです。その結果、相場以上の慰謝料を獲得できる可能性もあります。
依頼する項目を絞る
離婚するとなれば、慰謝料以外にも、離婚、財産分与、(子供がいる場合は)親権、養育費、面会交流など、話し合うべきことがあります。ただ、これらの項目は、夫婦が話し合える状態であれば、話し合って決めることももちろん可能です。
そこで、まずは夫婦で話し合って合意できる点は合意し、できない部分のみを弁護士に依頼する、というのも、弁護士費用を安く抑える一つの方法ではあります。一から弁護士に丸投げの状態では、やはり弁護士費用は高額となります。
もっとも、前述のとおり、夫婦で話し合いをしたばかりにかえって話がこじれ、解決までに時間がかかってしまうおそれもあります。合意できる部分できない部分の見極めが難しいこともありますから、迷ったら早めに弁護士に相談した方が無難です。
無料法律相談を利用する
ご自身で慰謝料請求や離婚問題を解決する場合は、離婚の慰謝料や離婚に関連するある程度の知識を蓄えておかなければなりません。知識がまったくゼロだと、どんな項目につきどんな手順で話し合いを進めていいのかも分からず、結局は弁護士に依頼せざるを得ないという結果にもなりかねません。
慰謝料や離婚の話し合いの進め方は、書籍やインターネットなどで多く紹介されています。情報を参考にする際は、誤った情報で誤った道を歩まないよう、新しいもの、信頼できる著者により記載されている情報を選択しましょう。
書籍やインターネットなどである程度の知識を蓄えたら無料法律相談を活用しましょう。知識を蓄えた上で法律相談に臨むと弁護士から受けるアドバイスも吸収しやすいでしょう。
①の「法律相談料」でも解説したとおり、近年は無料の法律相談を提供している法律事務所も増えてきています。また、法律事務所に限らず、お住いの市区町村が主催する法律相談、弁護士会が提供する法律相談などの利用も検討してみましょう。なお、回数、時間制限には注意しましょう。
法テラスの民事法律扶助を利用する
弁護士費用を安く抑えるなら法テラスの民事法律扶助を利用するのも一つの方法です。法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助とは、法テラスが法律相談を無料(1つの法律問題につき1回30分までで、3回までが限度)で提供し(法律相談援助)、法律相談で解決に至らなかった場合は、弁護士による弁護活動により発生した弁護士費用を法テラスが立て替える(代理援助・書類作成援助)という制度です。
もともと一般の法律事務所の弁護士に依頼する場合に比べて弁護士費用が安い上に、後払い、分割返済も可能で、生活保護受給者には立替金の猶予あるいは免除制度も用意されています。
直接法テラスに申し込む方法と、法テラスの民事扶助制度に対応可能な法律事務所を通して申し込む方法があります。ご自身で弁護士を選んで法テラスの民事扶助制度を利用したい場合は、後者の申し込み方法を選択した方がよいでしょう。
もっとも、法テラスの民事扶助制度を利用する場合は一定の資力要件(資力が一定額以下であること)などを満たす必要があります。また、申し込みから審査、そして実際の利用まで時間がかかりますから、利用する際は余裕をもって申し込むようにしましょう。
弁護士の探し方、選び方選ぶためのポイント
最後に弁護士の探し方について簡単にご紹介しておきます。弁護士の探し方はおおむね次の4通りです。
■ ネットで検索する
■ 経験ある知人から紹介してもらう
■ 市区町村が主催する法律相談を利用する
■ 弁護士紹介センターに申込む【東京限定】
また、弁護士を選ぶ際は次の点に注意しましょう。
【相談前】
■ 離婚分野を取り扱っているか
■ 弁護士の登録番号
■ 相談件数(処理件数)
■ 探偵と連携がとれているか
【相談時】
■ 相性が合うかどうか
■ 態度、話し方など
■ 協議(話し合い)での解決案も提示してくれるか
■ 弁護士費用について丁寧に説明してくれるか
■ リスク、デメリットも説明してくれるか
■ 相談の弁護士が担当してくれるか
詳細は以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければチェックしてみてください。
今回の内容は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。