不倫の慰謝料の相場は?高額慰謝料を勝ち取るコツや条件・手順を解説

目次

  • 不倫の慰謝料の相場は?
  • 高額慰謝料を勝ち取るためのコツは?
  • 慰謝料請求の条件・手順は?

この記事は上記のような疑問、お悩みにお応えする内容となっています。

配偶者の不倫が発覚した場合、まずはじめに考えるのが「慰謝料」のことではないでしょうか?

そこで、この記事の前半では、不倫の慰謝料の相場や慰謝料の金額を左右する増額・減額要素について解説します。また、後半では、請求の条件・手順について詳しく解説します。

この記事が皆様が少しでも高額な慰謝料を勝ち取っていただくための一助になれば幸いです。

不倫の慰謝料を請求するための5つの条件

不倫されたから、離婚するからといって直ちに慰謝料請求できるわけではありません。

慰謝料請求するには次の条件をクリアする必要があります。 

  1. 継続した不貞関係にあったこと
  2. 不倫相手に故意(または過失)があること
  3. 肉体関係や故意・過失の証拠により証明できること
  4. 婚姻関係が破綻したとはいえないこと
  5. 時効が完成していないこと

継続した不貞関係にあること

まず、慰謝料請求するには、配偶者と不倫相手とが不貞関係にあったことが基本です。

不貞とは配偶者がその自由意思に基づいて不倫相手と肉体関係をもつことをいいます。たとえ1回限りの関係でも不貞は不貞ですが、慰謝料請求する上では、ある程度継続した肉体関係があったことが必要です。

なお、先ほど「基本」と言ったのは、肉体関係がなくても(単なる浮気や不倫でも)慰謝料請求できる可能性があり、現に請求を認めた判例(東京地方裁判所平成31年2月26日)もあります。

不倫相手の故意・過失

不倫相手に慰謝料請求するには、不貞に加えて不倫相手の故意・過失が必要です。

不倫相手の故意とは、不倫相手が配偶者が既婚であることを知っていたこと、過失とは、不倫相手が注意すれば既婚者だと気づけたのに不注意により気づかなかったこと、をいいます。

不貞や故意・過失の証拠を集めること

慰謝料請求の条件とまではいえませんが、証拠がなければ慰謝料を獲得することは難しい、といっても過言ではありません。

慰謝料請求するには不貞を証明する必要があります。不貞を証明するには配偶者や不倫相手を徹底的に問い詰めて、不貞を認めさせることが一番手っ取りばやい方法です。ただ、証拠なしに問い詰めてもアレコレ言い訳して、簡単には認めないでしょう。

そこで、配偶者や不倫相手に不貞(不倫相手の場合は故意・過失も)を認めさせるために、浮気調査して証拠を集めておく必要があるのです。浮気調査の方法や不貞の証拠については以下の記事で詳しく解説しています。

婚姻関係が破綻していたとはいえないこと

慰謝料請求できるのは、婚姻期間中は、あなたが配偶者と平和な婚姻関係を築き、維持したいという権利利益を有しているものの、不貞によってこの権利利益が害されたと考えられるからです。

一方、婚姻関係が破綻している場合は、上記の権利利益はもはや消滅していると考えられます。そのため、婚姻関係が破綻した後の肉体関係は不貞とはいえず、慰謝料請求することができません。もっとも、婚姻関係破綻の主張はそう簡単に認められるものではありません。

時効が完成していないこと

慰謝料請求は「損害賠償請求権」という権利の一種です。そして、慰謝料請求しないまま時効期間(3年)が経過する(時効が完成する)と権利が消滅し、慰謝料請求できなくなる可能性があります。

時効期間の起算点(スタート地点)は請求する慰謝料の内容や誰に慰謝料を請求するかによって異なります。詳細は以下の記事で詳しく解説しています。

不倫の慰謝料の相場

不倫の慰謝料の相場は、まず、離婚するかしないかが一つの分かれ目となります。

■ 離婚する場合

➡ 0円~300万円

■ 離婚しない場合

➡ 0円~100万円 

慰謝料は不倫によって被った精神的苦痛に対する賠償金のことをいいますから精神的苦痛の程度が大きいほど慰謝料は高額となります。離婚する方が慰謝料が高額となるのは、「不倫+離婚」という二重の精神的苦痛を受けるからです。

不倫の慰謝料を左右する12の要素

不倫の慰謝料を左右するのは「離婚するかしないか」だけではありません。他にも様々な要素が慰謝料に影響します。

以下では不倫の慰謝料を左右する増額・減額要素について解説します。

婚姻期間

配偶者との婚姻期間が長いことは増額要素になります。

不倫が発覚するまでの婚姻状況

不倫が発覚するまで夫婦生活は円満だったという場合は増額要素となります。一方、不倫が発覚する以前から夫婦関係が壊れていた、破綻寸前だったという場合は減額要素となります。

なお、後述しますが、不倫時に婚姻関係が破綻していた場合は慰謝料請求できません。

不倫の回数、期間、内容

配偶者の不倫の回数が多ければ多いほど、不倫の期間が長ければ長いほど、不倫の内容が悪質(※)であればあるほど増額要素となります。

※自宅や家族が共有する車を浮気相手との密会の場所としていた など

★判例【東京地方裁判所平成28年4月6日】
・慰 謝 料 :300万円
・婚姻期間:約24年
・不倫期間:約9年半

不倫の主導者

不倫を誘った場合、不倫の主導者であった場合は増額要素となります。

配偶者と不倫相手との年齢差

配偶者の年齢が高く、不倫相手との年齢差が大きければ大きいほど増額要素となります。

配偶者との間の子供の有無、妊娠の有無

配偶者との間に子供がいる場合やあなたが妊娠中の不倫だった場合は増額要素となります。

配偶者と不倫相手との子供の有無、不倫相手の妊娠の有無

配偶者が不倫相手を妊娠させた、子供を作った場合は増額要素となります。

★判例【東京地方裁判所平成30年5月18日】
・慰 謝 料 :330万円
・婚姻期間:約18年

離婚するかしないか

離婚する場合は増額要素となります。

認否・反省の程度、社会的制裁の有無

配偶者が発覚当初から不倫を否認し続け反省の態度がみられない場合は増額要素となります。一方、発覚当初から不倫を素直に認め反省している場合などは減額要素です。

再度の不倫かどうか

不倫がバレて「もう二度と不倫はしない」と誓約したものの、再び不倫した場合は増額要素となります。

精神的苦痛(損害)の有無及びその程度

不倫によってうつ病、不眠症、PTSDなどの精神病を患った場合は増額要素です。

あなたの落ち度

家事・育児を放棄して配偶者に任せきりにしていた、配偶者に金の無心ばかりしていた、理由なくセックスを拒み続けていたなど、良好な夫婦関係を築く上であなたに落ち度が認められる場合は減額要素となります。

【不倫の慰謝料と考慮事情との関係】

  増額 減額
婚姻期間 長い 短い
婚姻生活 良好 不良
浮気の回数、期間、内容 多い、長い、悪質 少ない、短い、軽微
浮気の主導者 配偶者 浮気相手
年齢差 大きい 小さい
子ども、妊娠の有無 あり なし
離婚する、しない する しない
認否、社会的制裁 否認、なし 認め、あり
浮気再開 あり なし
被害の程度 大きい 小さい
あなたの落ち度 なし あり

不倫の兆候から慰謝料請求までの手順

不倫の兆候から慰謝料請求までの手順は以下のとおりです。

  1. 浮気調査する(証拠を集める)
  2. 配偶者と話し合う
  3. 浮気相手と話し合う
  4. 誓約書、示談書を作成する
  5. 裁判所を活用する

浮気調査する(証拠を集める)

配偶者に不倫の兆候がではじめたら浮気調査して不貞の証拠を集めましょう。浮気調査はご自分でも可能ですが、限界を感じた場合ははやめに探偵に相談しましょう。

配偶者と話し合う

浮気調査と並行して、ご自分の中で離婚か修復かを決めておきましょう。話し合いを切り出すのは、必要十分な証拠を集めて、話し合いの環境を整えてからです。

誓約書、公正証書を作成する

離婚しない場合は誓約書を作成した方が安心です。離婚する場合は必ず公正証書を作成しましょう。

不倫相手と話し合う

配偶者との話し合いを終えた後、不倫相手に話し合いを切り出します。

不倫相手との話し合いの注意点などは以下の記事で詳しく解説しています。

誓約書、示談書を作成する

話がまとまったら誓約書または示談書を作成します。

慰謝料請求せずに配偶者との関係を断ち切り、接触しないことを誓約させる誓約書を作成することもできます。

裁判所を活用する

話し合いをしてもまとまらない場合は裁判所を活用するほかありません。

配偶者と不倫相手とで活用する手続きが異なりますので注意しましょう。

配偶者の場合

離婚前は

■ 夫婦関係調整調停(離婚)

※ クリックすると裁判所のページへ飛びます 

離婚後は

 慰謝料請求調停 

※ クリックすると裁判所のページへ飛びます 

を申し立てます。

なお、離婚しない場合の再構築用に「夫婦関係調整調停(円満)」という手続きも用意されています。

不倫相手の場合

不倫相手の場合は、離婚前も後も「民事調停」を申し立てます。

なお、離婚前、配偶者との関係では調停を経てからでないと訴訟を提起することができません。一方、不倫相手との関係では、調停を経ずにいきなり訴訟を提起することも可能です。

訴訟を提起する

調停を活用しても調停不成立となった場合は、訴訟を提起することが通常です。

一定の手続きまで進むと裁判所から和解勧告を受けることが多く、和解するかしないか選択します。

和解しない場合は判決で判断が示されます。

高額慰謝料を勝ち取るためのコツ

慰謝料請求するからには、誰しも「高額な慰謝料を払わせたい」と思うのではないでしょうか?そこで、ここからは、高額慰謝料を勝ち取るためのコツについて解説します。

話し合いで解決する

配偶者に慰謝料請求する場合も、不倫相手に慰謝料請求する場合も「話し合い➡調停➡裁判」という手順を踏みます。

ただ、調停や裁判で慰謝料請求しても、相場の範囲内に落ち着くことがほとんどです。裁判官の公平・中立という立場上、あまりにも相場とかけ離れた慰謝料の支払いを命じることはできないからです。

また、裁判(あるいは調停)する場合は弁護士に依頼することも検討しなければなりません。仮に弁護士に依頼した場合には、支払わせた慰謝料から弁護士費用分を差し引かれ、手元に残るお金が少なくなってしまいます。

一方、話し合いでは当事者が合意した金額=請求金額となります。極端な話、配偶者や不倫相手が1億円でも支払うことに合意すれば1億円を請求できるのです。また、裁判よりかは費用や時間をかけずに解決できる点もメリットです。

証拠に基づいて増額要素を主張する

ただ、話し合いで、単に高額な慰謝料を請求しても、配偶者や不倫相手に請求の根拠を提示するよう求められるでしょう。そして、そこで提示できない場合は相手の減額主張を飲まざるをえなくなります。

そこで、話し合いでは相手を説得しうるだけの「交渉材料」を持ち合わていなければなりませんその交渉材料というのが証拠です。

まずは、何が慰謝料の増額要素なのかをきちんと把握した上で、増額要素の裏付けとなる証拠(※)を集めましょうそして、話し合いでは証拠に基づいた主張を行えば説得力が増し、配偶者や不倫相手を説得できるようになります。

※長期間にわたり、不貞を繰り返してきたことがわかる動画、写真など

減額主張にも柔軟に対応する

一方、配偶者や不倫相手からは減額主張されることもあるでしょう。その際、配偶者はもちろん不倫相手からも、あなたにとって耳の痛いことを言われるかもしれません。

ただ、そこで感情的になってしまうと話し合いがこじれ、話し合いで解決することが難しくなってしまいます。辛いでしょうがグッと我慢し、まずは相手が何を言わんとしているのか、何を望んでいるのかを把握することに努めましょう

なお、相手が減額主張する理由としては、突き詰めると経済的な理由であることが多いです。そこで、減額主張された場合は、請求額自体は変えず分割払いや支払い期限の延期等の代替案を提示してみるのも一つの方法です。

弁護士に依頼する

  • 相手と話し合える自信がない
  • 話し合いをしても話がまとまりそうにない、まとまらない

などという場合は、はやめに弁護士に依頼することも検討しましょう。

弁護士に依頼すれば弁護士が窓口となって対応してくれますからあなたの負担は大幅に減ります。

また、弁護士が間に入るだけでそれまでの相手の厳しい態度が一変し、あなたの要求を受け入れるかもしれません。

ただし、相手によっては逆効果となる可能性もあります。弁護士に依頼するかどうかは相手の態度をみながら慎重に判断する必要があります。

不倫の慰謝料請求で注意したい点

慰謝料請求で注意したい点は次の4点です。

  1. 証拠がなければ支払ってもらえない可能性がある
  2. 離婚しない場合は慰謝料は低額となる
  3. W不倫の場合は損する可能性がある
  4. 請求と回収は別問題

証拠がなければ支払ってもらえない可能性がある

証拠がなくても慰謝料請求自体は可能です。ただ、前述のとおり、証拠がなければ配偶者や不倫相手に不貞を認めさせることができません。また、仮に、裁判となった場合は請求が認められることはありません。

離婚しない場合は慰謝料は低額

冒頭の「不倫の慰謝料の相場」でも解説しましたが、離婚しない場合は慰謝料が低額となります。

また、離婚しない場合は、通常、不倫相手にのみ慰謝料請求しますが、不倫相手からは求償権を盾に減額交渉をもちかけられる可能性があります。

W不倫の場合は損する可能性がある

W不倫で損をする場合とは、不倫相手の配偶者が不倫に気づいている場合です。この場合、あなたの配偶者が不倫相手の配偶者から慰謝料請求される可能性がありますので、場合によっては損する可能性があります。

請求と回収は別問題

慰謝料請求の条件をクリアして請求したとしても、きちんと支払ってもらえるかどうかは別問題です。配偶者や不倫相手の資力によっては、満足のいくお金を回収できない可能性もあります。

ただ、他人から借りたり、金融機関から借金するなど、お金を作る手段はいくらでもあります。相手の「払えない」という言葉に惑わされず、場合によっては毅然とした態度をとることも必要です。

おわりに

繰り返しになりますが、不倫の慰謝料を請求するには浮気調査(証拠集め)が必須です。

浮気調査はご自分でも可能ですが、体力的・精神的・時間的・技術的な面で限界があります。また、浮気調査は配偶者や不倫相手にバレないよう慎重に進める必要がありますが、無理をすればするほどバレる危険が高くなります。

そして、浮気調査がバレると

■ 配偶者や浮気相手の警戒心が高まる

➡ 証拠集めが難しくなる

➡ 慰謝料請求できなくなる

■ 配偶者との関係が悪化する

➡ 配偶者がますます浮気にのめり込む

➡ 再構築が難しくなる

➡ 離婚を切り出される

➡ 離婚せざるをえなくなる

という事態に発展してしまうかもしれません。

そこで、ご自分で浮気調査することに限界を感じた場合は、はやめに探偵に相談した方がよいです。

調査力をもつ探偵であれば、これまでの(成功・失敗の)経験を踏まえた上で、教育された調査員とハイテク機材を駆使しながら調査することが可能で、より決定的な証拠を集めてくれます。負担が減るという点も大きなメリットです。

相談や費用の見積もりは無料ですし、相談したからといって契約しなければいけないわけではありません。まずは気軽に相談してみてはいかがでしょう。

とはいえ、特にはじめての方にとっては

■ 探偵って何する人?
■ 怖いイメージしかない
■ 費用が高そう
■ 選び方、手順がわからない 

など、いろいろと不安や疑問に思うことがあるでしょう。そんな疑問や不安をおもちの方は、ぜひ以下の記事をチェックしてみてください。記事では、探偵に関する疑問や探偵の選び方・手順、調査費用の相場や安くするためのコツなどを解説するとともに、おすすめの探偵もご紹介しています。

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

小吹 淳

小吹 淳

行政書士、夫婦問題(離婚)カウンセラー | 大学卒業後、官庁勤務(約13年)→法律事務所勤務(約4年)を経て現在に至ります | 現在「離婚協議書、離婚公正証書の作成&サポート」、「夫婦問題・離婚カウンセリング
」業務を中心とする行政書士事務所開業に向けて準備中です | 本サイトでは離婚で役立つ情報をわかりやすく解説しています | 二児の父親 | 趣味はサッカー観戦と旅行