浮気相手への慰謝料の請求方法 | 相場や条件、手順、注意点を解説

furinaite_isharyou
  • 浮気相手に慰謝料を請求したい
  • 請求の条件、手順、注意点を知りたい
  • 慰謝料の相場を知りたい

この記事ではこのような疑問、お悩みにお応えします。

浮気した配偶者と浮気相手は、あなたに対して「浮気(不貞)」という不法行為を共同して行い、あなたに精神的苦痛を与えた結果、あなたに対して連帯して慰謝料を支払う義務を負っています。したがって、あなたは配偶者にも浮気相手にも慰謝料を請求できますし、浮気相手(あるいは配偶者)に対してだけ慰謝料を請求することも可能です。

特に、配偶者と離婚しない場合は、配偶者に慰謝料を請求しない代わりに、浮気相手に対しては慰謝料を請求したいと考える方もおられます(反対に、離婚する場合は配偶者にだけ慰謝料を請求することが多いです)。そこで、この記事では、浮気相手に慰謝料をするための条件、慰謝料の相場、請求の手順、請求する際の注意点について解説していきたいと思います。

浮気相手に慰謝料を請求するための条件と相場

浮気相手に慰謝料を請求するための条件は次の4つです。

配偶者と不貞関係にあったこと
故意・過失があること
不貞関係にあった当時、婚姻関係が破綻していなかったこと
時効が完成していないこと
配偶者に対する慰謝料請求と共通の条件は①、③、④で、浮気相手に対する慰謝料請求で特有の条件は②です。
故意とは知っていた、過失とは知らなかったことにつき落ち度があった、という意味です。浮気相手に慰謝料を請求するには、浮気相手が「配偶者が既婚者であること」と「婚姻関係が破綻していないこと」を知っている(故意がある)※か、これらを知らないことにつき落ち度がある(過失がある)ことが必要です。

※「婚姻関係をが破綻していないこと」まで知っていることまでは不要とする説もあります。

浮気相手に慰謝料を請求する手順・パターン

浮気相手に慰謝料を払わせるまでの手順も、配偶者に慰謝料を払わせるまでの手順とほぼ同様です(詳細は下記の関連記事でご確認ください)。もっとも、浮気相手に対する対応は、配偶者との今後の関係をどうするかによって異なります。

離婚する場合

まず、離婚する場合は配偶者に対して離婚自体慰謝料を請求するのが一般的です。この離婚自体慰謝料とは、不貞などの不法行為により「離婚」に至った結果として被った精神的苦痛に対する賠償金のことで、不貞などの不法行為そのものによる精神的苦痛に対する賠償金(離婚原因慰謝料)とは区別されます。

そして、離婚自体慰謝料は、特段の事情(※)がない限り、浮気相手に対しては請求できないとするのが裁判所(最高裁判所平成31年2月19日判決)の考え方です。判決では、その理由として、「夫婦が離婚に至るまでの経緯は当該夫婦の諸事情に応じて一様ではないが、~、離婚による婚姻の解消は、本来、当該夫婦の間で決められるべき事柄」であり、第三者である浮気相手が「当該夫婦を離婚させたことを理由とする不法行為を負うことはない。」から、と結論づけています。

※夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき事情

離婚しない場合

一方、離婚しない場合は配偶者ではなく、浮気相手に離婚原因慰謝料を請求することがあります(あるいは、請求せずに接触禁止等だけを求めることもあります)。配偶者に請求しないのは、仮に払ってもらっても、生活費をともにする以上、実質的な経済的利益を得ることができないからです。

浮気相手に慰謝料を請求する場合は、不貞の疑いが強まった段階で慰謝料請求を切り出すための内容証明(慰謝料請求書)や示談書の原案の作成にとりかかり、証拠を集めた後、内容証明を送ります。内容証明を送った後の対応は、浮気相手の出方によって異なりますが、請求を認める場合は示談書の原案を作り、話し合いの準備を整えた上で話し合いを切り出します。

浮気相手に慰謝料を請求する際の注意点

最後に、浮気相手に慰謝料を請求する際の注意点をみていきましょう。

浮気の証拠を集めておく

まず、浮気の証拠を集めておくことです。

浮気相手に慰謝料を請求するには、あなたに慰謝料を請求するための条件を証明する責任があります。浮気相手に慰謝料を請求する場合は、浮気相手の故意又は過失も証明しなければいけません。これらを証明する武器となるのが証拠です。

仮に、話し合いで配偶者と不貞関係にあったことや故意を否認された場合、証拠がなければ太刀打ちできません。浮気相手に否認させないため、否認された場合にきちんと対応できるようにするためにも浮気の証拠を集めておく必要があります。

時効が完成している可能性がある

次に、浮気されてからときが経っている場合は時効に要注意です。

前述の離婚原因慰謝料の時効期間は、あなたが浮気の事実と浮気相手(の氏名、住所)を知った日の翌日から「3年」です。一方、離婚自体慰謝料の時効期間は、離婚成立日から3年です。離婚原因慰謝料と離婚自体慰謝料で、時効期間のスタート地点が異なりますので注意しましょう。

求償権を行使される可能性がある

次に、浮気相手から求償権を行使される可能性があることです。

求償権とは、同じ責任を負う相手に対して、自分の責任割合を超えた金額を払えと請求できる権利のことです。浮気相手に慰謝料を請求する場合、配偶者が浮気相手から求償権を行使されることを防ぐため、浮気相手に求償権を放棄することへの合意を取り付けることがあります。ただ、浮気相手がこれに合意する場合、交換条件として、慰謝料の減額を求められることがあります。

慰謝料を受け取っていると請求できない?

最後に、配偶者からすでに慰謝料を受け取っている場合は、浮気相手に請求できない可能性があることです。

この維持の冒頭で述べたとおり、浮気相手と配偶者は連帯してあなたに対して慰謝料を支払う義務を負っています。そのため、仮に、慰謝料全額が100万円として、その100万円を配偶者から受け取った場合は、浮気相手に慰謝料を請求することはできません。請求できるとなれば二重取りになってしまうからです。

もっとも、配偶者から受け取った慰謝料が一部の金額にとどまる場合や、浮気とは別の原因(DVなど)で慰謝料請求する場合は、浮気相手に慰謝料を請求することができます。

まとめ

浮気相手に慰謝料を請求する際は、条件をクリアするかどうかをチェックしましょう。また、慰謝料を請求する側に条件を証明する責任がありますので、あらかじめ証拠を集めてくことも大切です。

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

小吹 淳

小吹 淳

こぶき行政書士事務所 行政書士(登録番号 佐賀県22410162)
国家公務員時代は刑事事件の捜査、裁判を経験。退職後は法律事務所に事務員として勤務し、犯罪被害者・加害者の双方のサポートを経験する。現在は、夫婦間契約書を中心に取り扱う行政書士として、離婚公正証書、離婚協議書、示談書、誓約書の作成やチェック等の業務をメインに取り扱う。過去の刑事事件の捜査、裁判の経験を活かして、不倫や探偵の情報発信にも力を入れている。