不倫とは?定義や浮気との違い、原因、兆候から対処法までの全知識

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✔ 不倫と浮気の違いは何ですか?
✔ 不倫と不貞との違いは何ですか?
✔ どうして、何がきっかけで不倫が起こるのでしょうか?
✔ 不倫されやすい人の特徴ってありますか?
✔ 不倫させないためにはどうしたらいいですか?
✔ 不倫されたら何をしたらいいでしょうか?

この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。

この記事をご覧の方の中にも、SNSやテレビなどで有名人、芸能人の不倫のニュースを見たり、会社の同僚や親しい友人との間で不倫の噂を耳にすることがあるのではないでしょうか?なぜ、人は不倫をしてしまうのか、、。不倫のニュースを見たり、不倫の噂を聞くたびに疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では、不倫や浮気、不貞の意味を確認した上で、なぜ、人は不倫してしまうのか、不倫が起こる原因やきっかけについてみていきたいと思います。また、記事の中盤から後半では、不倫させないためにはどうしたらいいか、万が一不倫されてしまった場合はどのような対応をとるべきかについても詳しく解説します。

この記事をお読みいただければ、まだ不倫されていない方も、すでに不倫されてしまった方も、目の前に起きた問題・課題について適切に対処できるようになります。ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

不倫とは?~浮気との違い

まず、不倫には次のような特徴があります。

✔ 婚姻関係にある男女の間で使われる

✔ 肉体関係がある場合に使われる

一方、浮気には以下のような特徴があります。

✔ 婚姻関係にない男女間でも使われる

✔ 肉体関係がなくても使われる

不倫の「倫」は倫理の倫、つまり「人が守るべき道」という意味です。そして、戦前には姦通罪という罪があり(戦後に廃止)、姦通とはパートナー以外の第三者と肉体関係をもつことを意味していましたから、不倫といえば「男女関係で人の道にそむくこと」=「パートナー以外の第三者と肉体関係をもつこと」を意味する言葉として認識されるようになった歴史的な経緯があります。

一方、浮気は「心が浮ついて移りやすいこと」と定義されています。つまり、不倫と異なり、肉体関係という外形的な行為よりも、内面の心に重きがおかれていることがわかります。また、カップル、恋人同士など、婚姻関係にない男女の間でも使われる言葉が浮気です。

こうしてみると、肉体関係に限らず、二人きりの食事やデートでも浮気にあたる可能性がありますから、浮気は不倫よりもやや広い意味の言葉のようです。ただ、不倫と浮気を明確に区別して使っている人は少なく、不倫ことを浮気と言ったり、浮気のことを不倫という人が多いように感じます。

不貞の意味は明確

不倫、浮気の解釈は人によって様々ですが、不倫、浮気と似た言葉として使われる不貞の意味は明確です。まず、不貞は法律用語である点で不倫、浮気と大きく異なります(民法第770条1項1号)。

(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1 配偶者に不貞な行為があったとき。
2~5 略

この不貞が何を意味するかについては民法に書かれていませんが、過去の判例(最高裁判所昭和48年11月15日)では「配偶者のある者が、その自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」との判断が示されています。

このように、不貞は裁判上の離婚理由の一つで、不貞した相手が離婚を拒否しても、裁判で強制的に離婚を成立させることができます。また、不貞は民法上の不法行為にあたり、慰謝料請求の対象となる点も不倫、浮気との大きな違いといってよいでしょう。

不倫の原因~不倫はなぜ起こる?

パートナーとともに人生を歩むことを決めたとき、まったく想像していなかった出来事の一つが不倫ではないでしょうか。あなたのことを一生大事にする。そのパートナーの言葉を信じたからこそ、ともに人生を歩むことを決めたのであって、まさか自分が不倫されるとは想像すらしていなかったでしょう。

しかし、時の経過はときに残酷です。ともに過ごす時間が長くなればなるほど、結婚当初はできていたはずのパートナーに対する愛情、優しさ、思いやりといった感情が徐々に薄れ、それがパートナーにも伝わり、お互いの間に生じた亀裂の溝が気づかないうちに徐々に広まっていってしまいます。

では、どうしてパートナーに対する愛情、優しさ、思いやりといった感情が徐々に薄れていくのでしょうか。それは、パートナーに対する慣れや日々の生活のマンネリ化によって、恋人時代には抱けていたお互いがお互いに気に入られようとする緊張感が薄れてしまったことが大きな要因として考えられます。

また、結婚生活は波乱万丈です。結婚当初は予想もしていなかったライフイベントが次々と起こり、その中で夫婦それぞれの価値観や考え方は変化していきます。価値観や考え方が変化すると、なぜかパートナーの嫌な部分が際立ってみえてくるようになり、いつしかパートナーが受け入れられない存在と変わっていったりします。

こうしてパートナーに対する愛情、優しさ、思いやりといった感情が徐々に薄れると、パートナーからもこれまでのような愛情、優しさ、思いやりを受けられなくなり、夫婦の精神的・心理的な結びつきは弱くなっていきます。

人はどうしても自分を受け入れてくれる存在、認めてくれる存在を得たいという感情に走りますから、精神的・心理的な結びつきが弱い夫婦関係では、どうしても不倫されやすい状況にあるといわざるをえません。

夫婦生活を送る中で「寂しい」、「何か物足りない」、「パートナーと一緒にいるのが居心地が悪い」、こういった感情が大きくなってくると、自分の居場所を求めるため、存在価値を認めてくれる人を探すため、不倫に走ってしまう可能性があるのです。

不倫しやすい人には特徴がある!?

不倫が起こるのはもともとパートナー自身の問題、すなわち、パートナーが不倫しやすい人だったからという点があることも否めないことは事実ではないでしょうか。

誰しも一度は「どうしてうちの○○は不倫を繰り返すのだろう」、「どうして○○は不倫しないのだろう」などと疑問に思ったことがあると思います。

不倫する人はするし、不倫を繰り返す人は繰り返す。逆に、不倫しない人は一生しない。それは、周囲の環境やあなたのせいではなく、パートナー自身の性格やタイプ、特徴に問題があるかもしれません。

【不倫しやすい人の特徴】
性欲が強い
浮気しやすい職業に就いている
・時間的、経済的に余裕がある
・社交的で、人付き合いがよい
・SNSを使いこなしている
・飽き性、刺激を求めがち
・ルーズな性格
こうした特徴をもつ人すべてが不倫するとは限りませんが、特徴をよく頭に入れておけば、不倫させない、不倫を繰り返されないためのいいアイデアが浮かんでくるかもしれません。
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不倫のきっかけ第1位は「職場」

不倫が起こる原因としては、パートナー自身の性格やタイプ、特徴以外にも、パートナーが置かれた環境によるところも大きいです。不倫のきっかけとして多いのが職場であるのも、職場には、

✔ 異性と話す機会がある
✔ 共通の話題がもてる
✔ 一緒にいる時間が長い 

など、心理的に近づけるような環境が整っていることが原因として考えられます(職種によっては職場結婚が多いのも、こうした理由が原因として考えられます)。

「あの人なら大丈夫」、「あの人なら不倫しない」と安心しきっていた人でも、ちょっとしたきっかけで不倫心に火がともり、不倫に走り、不倫の沼にどっぷりつかってしまう人もいます。

不倫をするか否か、続けるか辞めるかの判断はパートナー自身の意思で決めることですが、周囲の環境がパートナーを不倫に走らせた、不倫する人に変えてしまったという側面があることが否めないのも現実です。

【男女別】不倫されやすい人の特徴

不倫はシタ側が悪いのは当然のことですが、冷静になって考えてみると不倫された側にも一定の原因がある場合があります。もし、パートナーとの関係を続けていきたい、改善したいと思うのではあれば、自分にも何か落ち度がなかったか、改善していくべきことがなかったか振り返ってみてみるとよいでしょう。

不倫させないためには?

誰しも、結婚した当初は、生涯を共にすることを誓ったパートナーといつまでも、平穏に暮らしていくことを望むでしょう。不倫する気満々の人と結婚する人などいませんし、まさか自分が不倫されるとは思っていないでしょう。

一方、これまで述べてきたように、パートナー自身の問題や周囲の影響からパートナーに不倫に走られ、人によっては突如として「不倫問題」と対峙せざるを得ないケースも出てきます。誰も「不倫されない補償はない」といっても過言ではありません。

一度夫婦の間に不倫問題が浮上すると、あなたのパートナーを見る目、パートナーのあなたを見る目が変わり、お互いが歩み寄りを見せなければ夫婦関係を修復することは容易ではありません。修復するにしても離婚するにしても時間がかかり、その間、苦しい思い、嫌な思いを何度なく味わなければなりません。

そうした苦い思いをしないためにも、まずはパートナーの心を他人に奪われないためにはどうすればいいのか、夫婦円満な生活を送るには普段からどんなことに気を付けるべきなのか少し意識してみるとよいでしょう。意識するのと、しないのとでは、未来の行く末が変わってくると思います。

不倫されたかも?と感じたら兆候をつかもう

万が一、「不倫されてたかも?」と感じる場合は、今後のためにも、できる範囲でご自分で調査してみましょう。今の段階ではまだ白か黒かはっきりしない段階です。調査する中で徐々に白か黒かわかってきますので、その段階で、今後のパートナーの関係について考えていくとよいでしょう。

「不倫されたかも?」というあなたの直観が間違っていない場合は、パートナーに次のような「不倫の兆候」が何かしら出ているはずです。まずは調査によって不倫の兆候をつかみ、本格的な調査に移行するきっかけをつかんでみましょう。調査の中には、パートナーの側にいるあなたしかできない調査もあります。

【スマホによくある不倫の兆候】
・スマホを肌身離さずもっている
・パートナーに近寄ると、急にスマホを隠す など
【バッグ、財布によくある不倫の兆候】
・不倫相手のものとしか思えないものが入っている
・賃貸アパート、マンションの見取図が入っている など
【車によくあある不倫の兆候】
・見慣れない長さや色の髪の毛が落ちている
・見慣れない銘柄のタバコの吸い殻がある など
【性生活によるある不倫の兆候】
・スキンシップを拒否するようになった
・セックスに消極的になった など
【日常生活によくある不倫の兆候】
・コミュニケーション(会話)が減った
・帰宅と同時にシャワーを浴びるようになった など

もっとも、自分で調査する場合はパートナーに調査していることがバレないよう細心の注意を払いましょう。一度バレるとパートナーとの関係が悪化することは必須ですし、パートナーと不倫相手との関係が深まって修復することが難しくなるかもしれません。また、パートナーの警戒心が高まり、調査を継続することが難しくなります。

そのため、自分で調査をはじめる前に自分でやる調査と探偵に任せる調査の線引きをすること、自分で調査する中で「無理だ」と思った場合は下手に手を出さずに潔く諦めることも大事です。また、「不倫されたかも?」と感じたとしても、不倫の調査を終えるまではパートナーを問い詰めないことも大事です。

不倫が判明した後の対応①【修復編】

調査の結果、パートナーが不倫していたことが判明した場合でも、「パートナーに対する愛情が残っている」、「子供のことを考えると今離婚すべきではない」など、様々な事情から離婚ではなく修復(婚姻関係を継続)を選択する方もおられると思います。ここでは、修復を選択した場合にとりうる対応法について解説したいと思います。

自分から変わる覚悟をもつ

まずは、自分から変わる覚悟をもつことです。

パートナーの関係を修復するには、あなた自身から変わっていくことが求められます。確かに、不倫はシタ側が悪く法的責任を負うのは当然ですが、ここで「自分は何も悪くない」、「変わるべきなのは相手の方だ」という考えに固執してしまうと、いつまで経っても修復することはできません。

あなたがパートナーに不平・不満をもっているのと同様に、パートナーはあなたにも同様の不平・不満をもっていますから、あなたがパートナーを責め続ければ続けるほどパートナーにファイティングポーズをとらせ、あなたに負けじとあなたの攻撃に応戦しようとします。これでは埒があきません。

人を変えることは簡単ではありません。ましてや、一度あなたから離れてしまったパートナーを変えることはますます簡単ではないでしょう。一方で、あなたはその気になりさえすれば変わることは簡単です。そして、あなたが変われば、パートナーを変えることもできます。

とはいえ、自分を変えることは簡単なことではありませんし、パートナーの心を取り戻し元の関係に戻るには数年、数十年とかかるかもしれません。夫婦関係を修復するにあたっては粘り強く関係を続けていく覚悟をもつことが必要です。

パートナーと話し合う

次に、今後についてパートナーと話し合うことです。

話し合いを始めるにあたっては、これまでの感謝や労いの気持ちと修復していきたい気持ちを率直に伝えましょう。パートナーはあなたから何を言われるか緊張しており、あなたから責められればこれに応戦しようとしてきます。

話し合いを始めるにあたってはパートナーの緊張をほぐし、パートナーが構えはじめたファイティングポーズを下ろさせることが先決です。また、あなたから修復の気持ちを伝えられれば、前向きな気持ちになるでしょう。

話し合いでは、あなたが変えていきたいと考えていることを伝えるとともに、パートナーの考えにも耳を向けます。修復していく方向で意見が一致したら、パートナーに二度と不倫をしないと誓約してもらい、具体的なルールを書面にまとめていくとよいでしょう。

不倫相手に慰謝料請求する

不貞を証明できる証拠を集めることができた場合は、パートナーにも不倫相手にも不倫慰謝料を請求することができます。

ただし、修復を望む場合は、パートナーにも不倫相手にも慰謝料は請求せず、不倫相手に関係解消や接触禁止等を求めるか、慰謝料を請求するとしても不倫相手に対してだけ請求することが一般的です。最終的には不倫相手と話し合い、条件について合意できたら示談書などの書面を作っておくと安心です。

別居する

修復か離婚か結論を出せない場合は別居することも一つの方法です。

別居することでお互いが冷静になり、お互いの大切さなどを再認識するいい機会になりえます。一方で、別居することで一気に離婚に突き進んでしまうリスクもあります。別居するにあたっては様々な準備やパートナーとの話し合いも必要です。DVを受けているなど例外的な場合を除き、勝手に別居することはやめましょう。

不倫が判明した後の対応②【離婚編

一方で、「自分を裏切った相手と修復するなど考えられない」という思いから、修復ではなく離婚を選択する方もおられるでしょう。また、完全に不倫にのめり込んだシタ側も、婚姻関係を継続していく意思を喪失しており、人生をやり直したいと離婚を希望していることが少なくありません。お互いに離婚の意思が合致すれば、離婚までのスピードは比較的はやく進むことがあります。

離婚の準備をする

離婚を決断したら、パートナーに離婚を切り出す前に離婚の準備を進めます(ただし、DVを受けており、直ちに身の安全を確保すべき場合は除きます)。

離婚にあたっては様々なことを決めなければならず、準備不足のまま離婚を切り出しても話し合いが不十分なまま離婚してしまう可能性があります。また、離婚したことに後悔してしまうかもしれません。

離婚の二文字が頭をよぎっても、離婚のメリット・デメリットを踏まえ、離婚という選択肢が間違っていないか、離婚することに後悔はないかよく考える必要があります。少しでも離婚に不安を抱えるときは、当分の間思いとどまることも必要です。

離婚の話し合いをする

離婚の準備が終わった後、パートナーに離婚の話し合いを切り出します

話し合いは二人で行うのが基本ですが、二人で話し合いを進めていく自信がない場合は、あらかじめ間に入ってくれる第三者を探しておきましょう。話し合いの切り出し方、タイミングなどにも注意が必要です。

話し合いでは、まず離婚の意思と離婚の理由をストレートに伝えます。パートナーが離婚に合意する場合は離婚条件に関する話し合いに移行できますが、合意しない場合は離婚調停を申し立てることなども検討します。

合意書面を作る

離婚と離婚条件について合意できたら、あとで言った・言わないのトラブルになることを防ぐためにも合意内容をまとめた書面を作りましょう協議離婚する際に作る書面は離婚協議書(合意書)か離婚公正証書です。

離婚公正証書には金銭が未払いとなった場合に強制執行の手続きがとれる強制力がありますので、養育費に関する合意をした場合、離婚慰謝料を分割で払ってもらう合意をした場合などは、離婚公正証書を作っておくことをおすすめします。

離婚届を提出する

書面を作った後は、役所に離婚届を提出します。協議離婚の場合、役所に離婚届を提出し、受理されてはじめて離婚が成立します。役所に離婚届が受理されない限り離婚が成立せず、離婚の効果も発生しませんので注意が必要です。

離婚届の提出方法は役所に直接持って行く「持参」のほか、郵送、代理があります。平日の夜や休日でも受け付けてくれる役所もありますので、事前に調べておくとよいでしょう。

まとめ

不倫の明確な定義はありませんが、「婚姻関係にある男女の間で使われる」、「肉体関係がある場合に使われる」という特徴があり、浮気や不貞とは明確に区別されます。

不倫はどんな夫婦にも起こり得る問題です。「あの人なら不倫しない」、「自分は不倫されない」と安心せず、なぜ不倫が起こるのか、どういうきっかけで起こりやすいのか知っておくだけでも不倫の防止・抑止につながります。

万が一不倫されたかも?と感じる場合は、できる範囲で自分で調査して不倫の兆候だけでもつかんでおくとよいでしょう。また、同時に今後のパートナーとの関係についても考え、修復か離婚かを選択し、それぞれの道に沿った準備を進めていく必要があります。

この記事を書いた人

小吹 淳

こぶき行政書士事務所 行政書士(登録番号 佐賀県22410162)
離婚業務を中心に取り扱っている行政書士です。離婚公正証書、離婚協議書、別居合意書、面会交流契約書、示談書、誓約書等の書面を作成したり、チェックしたりしています。ご相談は回数を問わず「無料」です。ご希望の方はお気軽にお申しつけください。