浮気が犯罪じゃない理由、死刑でもいいくらいの浮気が不法行為である理由とは?

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あなたは今、

■ 浮気は死刑に値する!

■ 浮気や不倫って犯罪と変わらない!

と考えてはいませんか?

ただ、結論から申し上げると、浮気や不倫は犯罪ではありません

では、なぜ、浮気や不倫は犯罪ではないのでしょうか?

この記事の前半ではその疑問にお答えするとともに、後半では民法上の不法行為や慰謝料請求などの制裁について解説します。

浮気は「犯罪」ではない

繰り返しになりますが、浮気は犯罪ではありませ

ある行為が犯罪にあたるというためには、法律に「この行為が犯罪です」ということが明記されていなければなりません。

これを難しい言葉で「罪刑法定主義」といいます。

たとえば、人を殺した場合に適用される殺人罪は刑法という法律の199条に規定されています。

(殺人)
第百九十九条

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

つまり、法律に「人を殺す行為は犯罪です」と明記されているわけです。

では、浮気についてはどうでしょうか?

確かに、戦後直後まで、刑法には姦通罪(6月以上2年以下の重禁錮)が規定されていました。

姦通罪は、夫をもつ妻が夫以外の男性と肉体関係をもった場合に、その妻と相手男性とを処罰するという罪です。

しかし、男女平等の観点から妻だけ姦通罪で処罰されるのは不合理だという批判があり、昭和22年の刑法改正により廃止されています。

その他に、どの法律を見渡しても、姦通罪のような規定は存在しません。

つまり、浮気は犯罪ではないのです。

浮気は「犯罪」ではなく「不法行為」

浮気は犯罪でないとしても、浮気が「社会的に許されている行為」というわけではありません。

やはり、浮気が法律に反する行為であることには間違いないのです。

では、その法律とは何かといえば「民法」という法律です。

民法の709条、710条をご覧ください。

(不法行為による損害賠償)

第七百九条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した(①)者(②)は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(財産以外の損害の賠償)

第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者(②)は、財産以外の損害(③)に対しても、その賠償をしなければならない(④)

709条、710条の①~④をわかりやすく言い換えると次のようになります。

  1. =不法行為=不貞
  2. =配偶者、浮気相手
  3. =精神的苦痛=慰謝料
  4. =慰謝料を支払わなければならない

不貞とは?不貞が不法行為である理由

不貞とは配偶者がその自由な意思であなた以外の第三者と肉体関係をもつことをいいます。

不貞は夫婦の「貞操義務違反」とも呼ばれます。

貞操義務とは「配偶者以外の第三者と肉体関係をもってはいけない義務」のこと。

貞操義務について定めた法律は存在しませんが、民法が

■ 重婚を禁止していること(民法732条)

■ 夫婦間の同居・協力・扶助義務を定めていること(民法752条)

■ 不貞行為が裁判上の離婚理由になること(民法770条1項1号)

などから、夫婦は互いに貞操義務を負っていると考えられています。

では、なぜ、不貞が民法上の「不法行為」にあたるのでしょうか?

それは

(不貞が)他方配偶者の「幸せな家庭生活を築いていきたい」という権利利益を害するから

です。

裁判所は上記の権利利益を「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」という難しい言葉で表現していますが、同じ意味です。

婚姻した以上は、誰しも、配偶者と幸せな家庭を築いていきたいと願うはず。

しかし、不貞はそんな願いをことごとく打ち砕く悪質な行為だというわけです。

これこそが不貞が民法上の不法行為にあたる最大の理由です。

不貞≠浮気・不倫

浮気を理由とする慰謝料請求は、男女が婚姻関係にあることを前提としています。

そのため、婚姻関係にない男女の間の浮気は、慰謝料請求の対象ではないといえます。(一定の内縁関係にある場合を除く)。

また、婚姻関係にある場合でも、

  • 手をつなぐ
  • 頻繁にメール、電話のやり取りをする
  • ハグをする
  • 食事をする
  • 買い物に行く
  • ドライブに行く
  • キスをする

などの肉体関係のない行為は基本的には慰謝料請求の対象ではありません。

もっとも、慰謝料は低額となりますが、肉体関係がなくても慰謝料請求を認めた判例(東京地裁平成28年9月16日)があります。

犯罪(刑罰)以外の3つの制裁と注意点

浮気が犯罪ではないといっても、犯罪の刑罰と同じように「何らかの制裁を加えたい」と考える方も多いのではないでしょうか?

そこで、以下では、配偶者や浮気相手に対する以下の制裁や注意点について解説します。

  1. 慰謝料請求  
  2. 離婚
  3. 社会的制裁(道義的責任)

慰謝料請求

慰謝料請求は配偶者や浮気相手に経済的な損失を与えるという意味で制裁になりえます。

もっとも、配偶者や浮気相手の経済状況によっては制裁とならない場合もあります。

その他、以下の点にも注意が必要です。

慰謝料請求の条件をクリアする

まず、浮気されたからといって直ちに慰謝料請求できるわけではありません。

慰謝料請求するには次の点をクリアすることが必要です。

■ 配偶者と浮気相手とが肉体関係にあること

■ 浮気相手に故意または過失が認められること

■ 不貞や故意または過失(※)を裏付ける証拠を集めていること

■ 不貞時に婚姻関係が破綻していないかったこと

■ 時効が完成していないこと

※浮気相手が、配偶者が既婚者であると知っていたこと(故意)または注意すれば知ることができたこと(過失)

慰謝料は「0円~300万円」が相場

浮気の慰謝料は離婚する場合は「0円~300万円」、離婚しない場合は「0円~100万円」が相場です。

金額は相場にとらわれることなく自由に設定できますが、高額慰謝料を望む場合は

■ 話し合いで解決する

■ 証拠に基づいて増額要素を主張する

 

ことが大切です。

 

そして、話し合いでの解決を望む以上は、相手の減額主張などにも柔軟に対応する必要があります。

離婚

特に、子供がいる場合は、離婚を配偶者への制裁と考える方も多いです。

離婚すると

■ 子供の親権者ではなくなる 

■ 子供と一緒に住めなくなる

■ 子供に会えなくなくなる  

可能性があるからです。

浮気してもあなたとの離婚までは考えていない配偶者もいます。

そうした配偶者にとって離婚は大きな制裁となりえます。

もっとも、浮気されたからといって、必ずしもあなたが親権を獲得できるわけではありません

また、離婚するにも、離婚後の生活にも想像以外にエネルギーを使いますし、経済的にも大変な思いをするかもしれません。

勢いで離婚を切り出すことは避け、十分な準備を整えてから切り出しましょう。

「離婚しない」、「別居」の選択肢も

離婚に対して、あえて離婚しないという選択肢を取ることも一つの方法です。

夫婦である以上は、経済的にも精神的にもお互いに支え合いながら生活していく義務があります。

もし、配偶者がその義務を放棄するようならば、それ自体が離婚理由や慰謝料請求の対象になりえます。

配偶者から離婚を切り出されても、離婚する気がない場合はきっぱりと断りましょう。

あなたが離婚に合意しない以上、基本的には離婚は成立しません。

また、浮気が発覚した直後はお互いの感情が激しくぶつかりがちです。

お互いが冷静になる意味でも別居することも検討しましょう

別居して冷却期間を設けることで、自然とお互いのわだかまりが解けてよい方向に進む可能性があります。

もっとも、別居するとしても

■ いずれが今の家から出ていくのか?
■ 住まいはどうするのか?
■ 費用はどうするのか?

■ 子供のことはどうするのか?
など様々な問題が生じます。
二人でよく話し合って決めることが必要です。

また、別居することでかえって逆効果となる可能性もあります。

別居したからといって配偶者のことを放置せず、密に連絡を取り合い、別居期間は短期間にとどめましょう。

離婚する場合の親権のことを考えると、子供と離れて暮らしてはいけません。

社会的制裁(道義的責任)

社会的制裁とは、たとえば、

■ 今の職場に居づらくなって、心理的に自主退職に追い込まれる

■ 職場の異動など事実上の降格処分を受ける

(以上、職場内不倫の場合)

■ 友人・知人の信頼を失う

■ 今の自宅に住めなくなって引越しを余儀なくされる

などを挙げることができます。

もっとも、上記のような制裁はあなたが何か行動を起こして実現できるものではありません。

反対に、「苦しい目に遭わせてやる」と思って極端な行動に出てしまうと、あなたの方が

  • 刑事上の責任➡懲役、罰金などの刑罰(※)
  • 民事上の責任➡損賠賠償

を問われかねませんので注意が必要です。

そうすると、離婚するしないに関わらずいい方向に進むことはありません。

法に触れるような行動は絶対に避けるべきです。

※よくある行為と罪・刑罰

  • SNS上での誹謗中傷

➡名誉毀損罪(3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金)

  • 浮気相手の職場への電話

➡名誉毀損罪、業務妨害罪(3年以下の懲役又は50万円以下の罰金)

  • 暴力

➡暴行罪(2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金)

  • 脅迫行為・メール

➡脅迫罪(2年以下の懲役又は30万円以下の罰金)

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

リョマ

リョマ

元検事の法律ライター プライベートや家族との時間を確保するため自主退官/行政書士、離婚カウンセラー有資格者/常に「当事者の視点」に立ち、正確で、わかりやすく、役に立つ法律情報を発信中/婚姻歴7年/二児の子供をもつ父親/近年は実体験をベースとした離婚・浮気の情報発信に力を入れている