浮気相手に慰謝料請求する際の内容証明の書き方を詳しく解説【テンプレ付き】

naiyoushoumei

目次

浮気相手に内容証明で慰謝料請求したいけど、

  • 請求の仕方がわからない
  • 請求書面の作り方がわからない
  • 内容証明の使い方がわからない
  • 送った後の対応がわからない

この記事は上記のような疑問、お悩みにお応えする内容となっています。

最後までお読みいただければ、浮気相手に対する慰謝料請求の仕方がわかります

ぜひマスターしていただき、目的の金額を勝ち取ってくださいね。

なお、浮気相手に慰謝料請求するまでには事前準備が欠かせません。

慰謝料請求するまでの手順などは以下の記事で詳しく解説しています。

あわせてチェックしてみてください。

浮気相手に慰謝料請求する方法

浮気相手に慰謝料請求する方法は

■ 電話

■ メール

■ 書面(請求書面) 

の3つがあるかと思います。

このうち、これから解説するのが「書面(請求書面)」を使っての方法です。

そして、書面を使って慰謝料請求する場合は、内容証明郵便制度(以下、内容証明といいます)を使うとより効果的です。

内容証明とは、いつ、どんな内容の文書が、誰から誰に郵送されたかを郵便局側が証明してくれる制度のことです。

浮気相手に内容証明で請求書面を送る目的

では、ここからは、なぜ請求書面を内容証明で送った方が効果的なのか、という話をします。

浮気相手に確実に内容を伝えることができる

電話やメールだとどうしても余計な話をしてしまいがちです。

その結果、本題(慰謝料請求のこと)をうまく伝えることができない可能性があります。

一方、書面だと伝えたいことだけを伝えることができます

浮気相手とやり取りしなくて済む分、心理的な負担も軽減できますね。

また、後述しますが、内容証明を使うと、請求書面は配達員から浮気相手に手渡しで渡されます。

仮に、浮気相手が中身を開封しなくても、浮気相手に渡りさえすれば浮気相手に内容が伝わったものとされます。

つまり、浮気相手に書面に書いた内容を確実に伝えることができるのです。

心理的なプレッシャーをかけることができる

多くの方が、普段、内容証明を受け取る機会はそうそうないと思います。

また、後述するとおり、書面には「法定措置を取る」などと記載します。

つまり、内容証明の見た目や書面の内容から、浮気相手に心理的なプレッシャーを与えることができます

心理的なプレッシャーをかけることで話し合いをスムーズに運び、満足のいく結果を得られやすくなります。

時効の完成を猶予できる

時効の完成の猶予とは時効の完成が先延ばしにされることです。

浮気相手に対する慰謝料請求の時効期間は

あなたが配偶者と浮気相手の肉体関係の事実(不貞)と浮気相手を知った日から3年

です。

期間が経過して時効が完成すると慰謝料請求できません(※1)。

ただ、この3年が経過する前に浮気相手に内容証明を送れば、

内容証明が配達された日(※2)の翌日から起算して6カ月間

は時効が完成しません。

※1 正確には、浮気相手が「時効が完成したため慰謝料を支払わない」という意思表示(時効の援用)を行う必要があります。

※2 内容証明は配達証明付きで送ります。内容証明が配達された日は、郵送で受け取る配達証明書で確認することができます。

内容証明を利用するにあたって準備するもの

内容証明を書くにあたって準備するものは以下のとおりです。

■ お金

(1279円※1枚の場合)

■ 印鑑

(※シャチハタ不可)

■ 用紙

(※材質・種類は問いません。サイズはA4が一般的。)

■ パソコンあるいは消えないボールペン

■ 封筒

【お金の内訳】 

■ 基本料金:84円

(定型郵便、かつ、重量が25グラム以内の場合)

■ 一般書留の加算料金:435円

■ 内容証明の加算料金:440円

(※1枚の場合。2枚目以降は1枚につき260円加算)

■ 配達証明料金:320円

合計:1279円

㊟内容証明を送る際は、浮気相手に内容証明が配達されたこと証明する「配達証明」付きの内容証明で送りましょう。

内容証明の利用上の注意点

内容証明を書くにあたっての注意点は2つです。

まず、すべての郵便局で内容証明の手続きを行えるわけではない、という点です。

内容証明を取り扱っている郵便局は、

 本局などの集配業務をしている大きな郵便局(集配郵便局)
■ あらかじめ指定された郵便局

のいずれかに限られます。

手続きを行う前に、これから手続きを取ろうとする郵便局が内容証明を取り扱っている郵便局かどうか確認しておきましょう。

次に、内容証明には一定のルールが設けられているという点です。

詳細は郵便局のホームページでご確認いただければと思いますが、特に気を付けるべきなのは 

■ 書面に書く字数・行数に制限がある
■ 原本1部、謄本2部を用意する
■ 謄本が2枚以上にわたる場合は、綴り目に契印が必要

という点です。

請求書面(通知書)に書くべき内容【テンプレ付き】

それでは、ここからは「請求書面」に書くべき項目、内容について解説します。

まず、書くべき項目は以下のとおりです。

  1. 日付
  2. 書面の標題
  3. 浮気相手の住所、氏名
  4. あなたと配偶者との関係
  5. あなたが不貞を知った経緯
  6. 不貞の内容(開始時期、期間など)
  7. 不貞によって精神的苦痛を受けたこと
  8. 不貞が民法709条の不法行為にあたること
  9. 慰謝料の額・支払い方法・支払い期限
  10. 振込先
  11. 慰謝料を支払わない場合の法的措置
  12. あなたの住所、氏名、押印

請求書面【まとめ】

 

令和●年●月●日(①)

 

通知書(②)

 

(③)〇〇(都道府県)〇〇市(区)〇〇(町)〇〇丁目〇〇番地

〇〇マンション〇〇号室

■■■■ 殿

 

 

私(以下、通知人といいます。)は、✕✕✕✕の妻(又は夫)である●●●●です(④)。

通知人は、夫(又は妻)である✕✕✕✕の不貞行為を疑い、(興信所に依頼して)調査したところ、貴殿が_(平成・令和)年_月ころから、✕✕✕✕と不貞行為を開始し、_年(月)にわたって週に_回、______(など)において不貞行為を続けていることが判明しました(⑤・⑥)。

貴殿の行為によって、通知人と✕✕✕✕との婚姻関係は破綻し、通知人はそれによって多大な精神的苦痛を被りました。

貴殿の行為は、民法709条の不法行為に該当します(⑦・⑧)。

よって、通知人は、貴殿に対し、不貞行為に対する慰謝料として、金_____円の支払いを請求いたします。本通知到着後1週間以内に下記口座にお振込みください(⑨)。

 

振込先(⑩)

〇〇銀行〇〇支店

普通口座

口座番号 〇〇〇〇〇〇

名義人   〇〇〇〇

 

なお、上記期間内に全額の支払いがない場合は、直ちに法的手続きを講じますので、あらかじめご了承ください(⑪)。

 

(⑫)〇〇(都道府県)〇〇市(区)〇〇(町)〇〇丁目〇〇番地

〇〇マンション〇〇号室

●●●● ㊞

 

以上

①日付

内容証明を完成させた日を記載しましょう。

②文書の標題

文書の標題は「通知書」とすることが多いです。

③浮気相手の住所、氏名

内容証明を郵送するには、浮気相手の住所、氏名を把握しておく必要があります。

住所(マンション、アパートの場合は部屋番号まで)、氏名は正確に記載しましょう。

④あなたと配偶者との関係

あなたが浮気した配偶者の妻(又は夫)であることを記載します。

⑤あなたが不貞を知った経緯

あなたがどのような経緯から不貞を知ったのかを記載します。

不貞は浮気調査によって明らかにします。

自分で行うこともできますが、限界を感じた場合は探偵に相談、依頼してみましょう。

⑥不貞の内容(開始時期、期間など)

浮気調査や配偶者への聞き取りによってあなたが把握できた不貞の事実を記載します。

⑦不貞によって精神的苦痛を受けたこと

慰謝料は精神的苦痛を金銭化したものですから、不貞によって精神的苦痛を受けたことを記載します。

⑧不貞が民法709条の不法行為にあたること

不貞は民法709条に規定する不法行為です。

「不法」というワードを出すだけで浮気相手に心理的プレッシャーをかけることができます。

⑨慰謝料の額、支払い方法・支払い期限

慰謝料は

■ 離婚しない場合

 0円~100万円

■ 離婚する場合

 0円~300万円 

が相場です。

最終的な金額は話し合い(話し合いで解決できない場合は裁判)で決めます。

ただ、請求段階では浮気相手の減額交渉を見越して相場よりもやや高めの金額を設定しておくとよいです。

また、支払い方法は口座振り込み、一括払いを原則とし、必ず期限を定めましょう。

⑩振込先

慰謝料の支払い方法を口座振込みとする場合は振込先を明記します。

⑪慰謝料を支払わない場合の措置

浮気相手が期限までに慰謝料を支払わない場合の措置(訴訟の提起など)を記載します。

ここでも浮気相手に心理的なプレッシャーをかけることができます。

⑫あなたの住所、氏名、押印

最後にあなたの住所、氏名を記載し、氏名の横に印鑑(シャチハタ不可)を押印します。

受取人の場合と同様に正確に記載しましょう。

それでは請求書面のテンプレートを掲載します。

請求書面に書くべき内容は個別事情により異なります。

テンプレートは参考程度にとどめ、個別事情にあった請求書面を作ってください

内容書面の出し方

内容証明は郵便ポストに投函して送達することはできません

内容証明を取り扱っている郵便局へ出向き手続きする必要があります。

この際、もっていくものは次のとおりです。

■ 請求書面3部

※原本1部、謄本2部

■ 封筒

※差出人、受取人の住所・氏名を記載したもの。封は綴じない

住所を知られたくない場合は

  • 代わりの場所を「気付」として書く
  • 「〇〇郵便局留 〇〇行」などと書く

方法があります。

■ 印鑑

■ お金(郵便料金)

郵便局に着いたら、備え付けの「書留郵便物受領書」に必要事項を記入して請求書面、封筒とともに窓口に提出します。

郵便局が受け付けると認証司がルールにしたがって記載されているかチェックします。

問題がなければ、郵便局員の目の前で原本を封筒に入れて封を閉じ、郵便局員に渡します。

その後、会計を済ませ、郵便局員から謄本1部と問い合わせ番号が記載された「書留郵便物受領書」を受け取れば手続きは終了です。

【ケース別】内容証明を送った後の対処法

請求書面を送った後は浮気相手からの反応を待ちます。

そして、その後は、浮気相手の反応別に適宜対応する必要があります。

以下では、浮気相手の反応別の対処法について解説します。

請求内容を認めた場合

誓約書、あるいは示談書(いずれも原案)を作ります

作った後は、話し合いを切り出します。

話し合いの切り出し方、進め方などは冒頭でご紹介した記事、誓約書と示談書との使い分け作り方などについては以下の記事で詳しく解説しています。

内容証明は受け取ったが反応がない場合

まずは、内容を変えた請求書面を、再度、内容証明で送ってもよいでしょう。

それでも反応がない場合は、請求書面に記載したとおり法的措置を取ります。

具体的には浮気相手の住所地を管轄する簡易裁判所に対して民事調停を申し立てます。

調停も浮気相手との話し合いで解決を目指す場です。

ただ、間に裁判所という公的機関を挟むことで、冷静に話し合いを進めることができます。

もっとも、そもそも浮気相手が調停に出席しない、出席しても話がまとまらない場合は調停不成立となります。

調停が不成立となった場合は訴訟を提起することを検討します。

不貞や故意を否認された場合

話し合いでの説得を試みます

この段階であなたは不貞や故意に関する十分な証拠をつかんでいるはずです。

そこで、話し合いでは

■ 証拠をつかんでいること
■ 否認を続ければ裁判も辞さないこと
■ 裁判をしても負ける可能性が高いこと

■ 不合理な否認を続けると慰謝料の増額事由となること

を率直に伝えましょう。

また、場合によっては証拠(写しがよい)を提示することも必要となるでしょう。

浮気相手としても話し合いでの解決を望んでいるでしょうから、すんなりと認める可能性があります。

なお、頑なに否認されたからといって感情的になってはいけません。

あなたが感情的になれば浮気相手も感情的になって話し合いが決裂する可能性があります。

話し合いが決裂すれば「調停➡裁判」と進まざるをえませんが、それでは解決までに多大な労力と時間がかかります。

話し合いで解決を図るには感情的にならず、浮気相手の主張にも耳を傾けることが必要です。

慰謝料の減額・分割を主張された場合

話し合いで交渉します

まずは、ここまでなら譲歩できるがこれ以上は譲歩できない、というあなたの基準を決めておきましょう。

基準が曖昧だとずるずると浮気相手の主張に飲み込まれてしまう可能性があるからです。

また、浮気相手が減額、分割を主張する理由は「経済的な理由」であることが多いです。

ただ、経済的な理由は慰謝料の減額事由ではありません。

今の段階では支払えなくても、後日金策して支払うことだってできるわけです

「支払えない」、「経済的に困っている」などと言われても安易に譲歩してはいけません。

とはいえ、話し合いでの解決を目指す場合は一定の譲歩は必要です。

減額には応じないが分割(or期限の先延ばし)は認める

反対に、

減額には応じるが分割は認めない

など柔軟に対応する必要があります。

なお、分割とする場合は一回の支払額を多く、支払い回数を少なくしましょう。

また、慰謝料の金額が大きければ大きいほど、未払いに備えて強制執行認諾付き公正証書(※)を作成することも検討しましょう。

作成するには浮気相手の同意が必要です。

※強制執行認諾付き公正証書

もし将来、慰謝料を未払いにした場合は、浮気相手の財産(給料など)を差し押さえる手続きを取ることを約束させる公正証書のこと。裁判を経なくても、差し押さえ手続きが可能となります。

内容証明が返送されてきた場合

内容証明が返送されるのは次の場合です。

■ 不倫相手が内容証明の受取を拒否した

➡ 受け取り拒否

■ 封筒に記載した住所に不倫相手が住んでいなかった

➡ 宛所に尋ね当たらず転居先不明

まず、受け取り拒否の場合は、

「特定記録郵便」で請求書面を郵送

します。

特定記録郵便は配達員が浮気相手の郵便ポストに書面を投函し、かつ、郵便局が、書面を投函(配達)したことを証明してくれるサービスです。

ただし、内容証明と併用することができません。

そこで、後でどの書面を送ったのか証明するためにも、送った書面のコピーを取っておきましょう。

次に、宛所に尋ね当たらず、転居先不明の場合は、

浮気相手の現在の住所を調べなおして改めて内容証明する

という方法が基本的な対応となります。

なお、個人で浮気相手の住所を調べることには限界があります。

お困りの場合は弁護士や探偵に相談してみましょう。

内容証明の作成を弁護士に依頼するメリット

請求書面の作成や内容証明の手続きはご自身で行うことも可能です。

しかし、負担を感じるようであれば弁護士に依頼するという手もあります。

弁護士に依頼するメリットは以下のとおりです。

負担や不安から解放される

ほとんどの方が「慰謝料の請求書面を書くことは初めて」という場合が多いでしょう。

そのため書き方がわからず、まずはインターネットや本で調べながら作成するという方も多いと思います。

ただ、調べる→作成する→調べる→作成する、という過程は思いのほか時間がかかりますし、手間もかかります。

日常生活と並行しながら作成することは大きな負担です。

さらに、やっとの思いで作成した書面が正しい内容かどうか不安も残ることでしょう。

弁護士に依頼すれば、こうした負担や不安から解放されます。

話し合いがスムーズにいく

前述のとおり、請求書面を送っても無視されることがあります。

しかし、弁護士に依頼すれば、弁護士名義で請求書面を作成してくれます。

そして、弁護士は法律の専門家であることから、浮気相手に

無視すれば本当に法的措置を取りますよ

ということも現実味をもって知らせることができるでしょう。

「できれば調停や裁判は避けたい」と思っている浮気相手も多く、浮気相手からの何かしらの反応を期待できるというわけです。

また、交渉も依頼できれば、その後の話し合いから慰謝料の受け取りまでがスピーディーに運ぶ可能性もあります。

弁護士に依頼した場合の費用

弁護士に依頼した場合の費用は

5万円~10万円(税抜き)

が相場です。

もっとも、内容証明を送った後の対応(話し合い、示談書の作成など)はご自分で行う必要があります。

また、内容証明の作成のみを受任しない弁護士(法律事務所)もあります

あらかじめホームページなどで対応してくれるかどうか確認しておきましょう。

なお、内容証明の作成のみであれば行政書士に依頼することも可能です。

費用は弁護士よりも若干安くなります。

 

今回の内容は以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

リョマ

リョマ

元検事の法律ライター プライベートや家族との時間を確保するため自主退官/行政書士、離婚カウンセラー有資格者/常に「当事者の視点」に立ち、正確で、わかりやすく、役に立つ法律情報を発信中/婚姻歴7年/二児の子供をもつ父親/近年は実体験をベースとした離婚・浮気の情報発信に力を入れている